夫婦でお絵描き

  • 2016.01.23 Saturday
  • 08:55

先月のことだ。
クリスマス休暇で家に帰ってきた次女のプレゼントが
大人のための初級絵画教室だった。

彼女自身、最近 ボーイフレンドと二人で参加したという。
とっても楽しかったから おっとっとと私を
それと同じような絵画教室に連れて行ってくれると言う。

「ワインを飲みながら インストラクターの教えてくれる通りに
絵筆を走らせれば それだけで 油絵が描けちゃうんだよ。
不思議に 下手でもなんとかなっちゃうんだよ。行こうね」
と、次女。

末娘も大学へと行ってしまい 空の巣症候群の私と
セミリタイアしていて自由時間がたっぷりある
どころかありあまる自由時間を持て余し気味のおっとっとに
お絵描きをしてはどうかという娘の思いやりということらしかった。

油絵?といえば。。。
学生時代 油絵を描きたくて レッスンとったなあ。そういえば。
しかし、絵心はなくて 挫折。
それを最後に 絵は私の最も苦手なものになった。
油絵にチャレンジしたことも すっかり忘れていた。

というわけで 「油絵ねえ。苦手なんだよね」
と私は、ちょっと後ずさりしながらもついて行くことに。

「ペイントナイト」と題されたその絵画教室の会場は
隣町にあるモールの中のレストランのパティオにしつらえられていた。
次女が三人分(本人、おっとっと、私)の予約を入れてくれてあった。

レストランの入り口に「ペイントナイト」の看板。

そこには 我々と一緒にペンインナイトにやってきた参加者の姿も。

パティオテーブルには 白いカバーが掛けられ
人数分のイーゼル、キャンバス、絵の具、ペイントブラシ、
筆を洗うための溶液が入ったカンカンが 一人にひとつずつ用意されていた。


その日の参加者は 2530人ほどであるようだった。

空いている席を探し 3人並んで 座る。
娘は 参加二度目ということなので慣れたもの。
席に座る間も無く 飲み物を注文しに バーコーナーへ。
このペイントナイトのいいところは リラックスして
楽しんで絵を描いてみるというところ。

絵がどうも苦手という思いがあって
尻込みする私みたいな人にも敷居が高くなく

大きく扉が開かれている感じ。

レストランにとっては、
お客さんが少ない暇な時間の場所貸しで
お酒を飲んでくれるお客さんが来るし

参加者にとっては 絵をかきながらいっぱい飲めるという

一挙両得のイベント。

会場の端には 今日完成する絵が置かれている。

初心者コース、ベルナール・ビュフェ風、ピンクの背景にワイングラスが二つ。

「なかなか良いねえ。本当に描けるのかな?」

 

時間になり いよいよスタート。

テーブルには 注文したワインも運ばれてきて・・・。

インストラクターがジョークを交えて説明を始める。

「今日は、楽しく絵を描きましょう。

キャンバス以外には ペイントしないこと。

隣の人のキャンバスには 手を出さないこと。

自分の絵を見て 下手だなあと口にしないこと。

もちろん他人の絵を 下手だとかひどいとか言わないこと。

筆洗いのバケツと間違って ワイングラスで筆を洗わないこと」

などなど。

そして、いよいよ始まる。

まずは 背景をピンクに塗るところから。

全体を塗ったあとに ワイングラスの輪郭を白の絵の具で描いていく。

手順通りに 真似していく。

「ワイングラスの光った感じはこういう風に描くのかあ。ふーん、そうなんだあ」

と、目から鱗。

徐々に お手本の絵と似たような作品が出来上がっていく。

「まったく同じでなくていいですよ。好きなように描いてください」

とインストラクター。

が、同じに描けるはずもなく 個性がでる。

 

で、2時間後 ピンクの背景に赤ワインが注がれたワイングラス二つが

並んでいる絵が出来上がった。

 

昔、昔、通った油絵のクラスでは こういうテクニックを教えてもらっただろうか?

ただ、決まった曜日、決まった時間にアトリエに行って

何人かの生徒さんと一緒に 静物画を 黙々と描いたような気がする。

ちっとも面白くなかったし、上手に描けるわけもなく

すぐに辞めてしまった。

しかし、こういうのは気楽でいいなあ。

「絵を描くぞ!」じゃなくて「絵でも描いてみようかな?」ぐらいの

まったくの初心者にもフレンドリーなクラス。

で、出来上がりは それほど満足はいかなかったけれど。

 

そして、娘は ご丁寧にも 我々にとってそれが一度きりの油絵にならないようにと

油絵具、ブラシ、卓上イーゼルを2セット分を

私たちのために ネットでオーダーしてくれた。

 

数日後、画材が届いた。早いね。

それからというものおっとっとは 俄然絵を描くことに目覚め

黙々とワインとグラスの絵を直していた。

そして、「お前も描け」とのたもうた。

 

まあ、じゃあ、やってみましょうか?

というわけで、私も・・・。

まごまごのベイビー時代のお気に入りの写真を見ながら

描いてみることに。

 

油絵のいいところは 描いてみてちょっと変だなと思ったら

上に塗っていけるところ。

色は 薄い色から付けていき 濃い色を載せていけばいいらしい。

そして、ハイライトが大事ということはユーチューブの

ボブ・ロスという人の描き方を見たりして見よう見まねで。

人物画は 初めてだけど やってみることに。

これが結構難しかった。

まごまご 写真は すごくかわいいのに 何でかわいく描けないのかな?

すると目の描き方というのが ユーチューブにあるから見てみれば、と

娘婿からの情報。

みんなのサポートを受けて だんだんに仕上がっていく絵。

思いがけず絵を描くことの楽しさを発見。

人生って びっくり箱。「苦手だ。できそうにない」って思っても

やってみると楽しかったりするのねえ。

JUGEMテーマ:最近のマイブーム

たくあんカップル

  • 2016.01.09 Saturday
  • 14:22


最近の出来事。家の近くのお寿司屋さんでの話。

 

そのお店に来るお客さんは 日本人のお客さんはごくわずかで

ほとんどがアメリカ人というか 日本人以外の人で占められている。

出すものは お寿司がメイン。

アメリカ人が比較的好む天ぷらなどの揚げ物はない。

シンプルメニューだ。

カウンター席が10人分、4人掛けのテーブル席が4

というこじんまりしたお店で 20年ほどそこで営業している。

オーナー兼すし職人がカウンターでお寿司を握っている。

裏方に皿洗いのバスボーイとウェイトレスさんが13人。

小さいけれど きれいで清潔なお店だ。

ちょっとお刺身が食べたいというときに 時々行く。

 

ある日の夕方、ちょっとだけ何かつまもうとおっとっとと出かけた。

5時開店のお店に 30分遅れで行ったら 

お店はもうお客さんでいっぱいだった。

運よくカウンターの隅が開いていて そこに陣取った。

いつも大体そうなのだが、くの字型のカウンターには、

いや、お店にいるお客さんは私たちを除いて全員アメリカ人、

日本人でもなく、アジア人もいなかった。

 

マグロが大好きなおっとっとは まず、マグロのお刺身を注文。

私は、・・・何注文しようかなあ?と考えながら 

おっとっとのお刺身を ちょっと摘み食い。

左横を見るともなしに見ると 隣の隣、カウンターの角に

陣取っている60代のアメリカ人のカップルが目に入った。

そういえば、彼ら この間来た時も同じ場所に座っていた。

きっとお店の常連さんなのだろう。

 

すると、彼らの前に黄色いお料理が乗ったお皿が出された。

「たくあんです」とオーナー板前のSさん。

そして、たくあんと一緒に何か赤いソース(ディップ)のようなものを出した。

たくあん??漬物を彼らが食べるの?

びっくりした。

それに、あの赤いものなんだろう?

 

最近は すしカウンターに座るアメリカ人は珍しくないし

刺身を食べるアメリカ人も 一般的になってきた。

彼らはお箸を上手に使うし ウニや生ガキを食べる。

そこに来るお客さんには かつてのすしカウンターで見たような

すし飯にお醤油をかけて食べるような外人(日本人を基準にいうと)はいない。

 

だから、それは すしカウンターでであう久しぶりに衝撃的な出来事だった。

たくあん食べるんだねえ。彼らは。

 

で、思い出した。

そういえば、うちの婿(ドイツ人)殿もたくあん好き。

手巻き寿司をすると 細く切ったたくあんをよく食べる。

「僕の大好物なんだ」って言って。

 

その後、日本のテレビ番組を見ていたら 

日本では売り上げが伸び悩んでいるたくあんの缶詰を輸出用に作り始めて

漬物の会社は 盛り返したという。

 

へえ、思い込みの常識は こうやって崩されていくんだなあ。

日本、まだまだ行けるよ。

アイデアと工夫で 世界へ羽ばたけるものをきっといっぱい持っているはず。

 

お店のオーナーに聞くと、そのたくあんカップルは 週に3回くらい

食べにくるそうだ。

そして、そのたびに たくあんは欠かせないという。

それを見てからというもの おっとっとは、それまでそれほどでもなかったのに

時々、突然、「たくあんを食べたいなあ」だって。

彼らに たくあんの良さを思い出させてもらったみたいね。

 

びっくりポンや!



日本人だよ

  • 2016.01.08 Friday
  • 04:52

年初めはことさら日本人だなと感じる気がする。

たとえ20年のアメリカ暮らしで変な日本人になっているとしても。

襟を正して 年頭の誓いをするのもその一つ。

今年こそ、今年こそはXXするぞ!と誓う。

ところが、人生長くなってくると毎回真新しい誓いが見つからなかったり

誓ったけれどできなかったことが増えてきて

毎年同じ誓いをするなんてことも・・・。

でもね。この辺で なんか目新しいこと 見つけよう!

 

今年こそ去年と違う今年こそ (子猫)

 

 

 

「川柳一口メモ」__高木美津子

ペンネームをつけるとなんだかいっぱしの川柳作家に

なったような錯覚(作家く??)に陥る・・・かも。

気分は立派に川柳作家___高木美津子

 

<まずはペンネーム(柳号・柳名)を>___水野タケシ著「これから始める川柳」より

ペンネームがあると、いかにも「川柳をやっている人」という感じで

恰好よいし、しかも覆面プロレスラーのように正体がバレないから、

どんな内容の句でも表現できてしまいます。 

もちろん本名で川柳を作っている方が多いですし、

そのほうが正統派なのでしょうが、

すてきなペンネームも、日々の川柳ライフを

楽しく盛り上げてくれますよ。

 

 

 

「火花」 又吉直樹著

  • 2016.01.04 Monday
  • 17:39

 

「火花」は、去年(2015年)の話題作だ。

この本で一躍有名になったお笑い芸人又吉直樹初の中編小説で

2015年の芥川賞を受賞し お笑い芸人など知らない人たちにも 

又吉の名を 一気に知らしめることになった。

 

私も彼のことなどまったく知らなかったうちの一人で 

それほど有名でない又吉君など あまり芸能人に興味のない

ましてや アメリカに住んでいて 日本の情報が少ない環境にいるので

よほど有名どころでない限り 知っているはずもない。

 

彼が小説を書き それが芥川賞の候補になっているなどと

バラエティー番組か何かで 聞いたのがきっかけで

やっと、彼を意識するようになったわけだが、

彼を初めてしっかりと見た時に、

真ん中分けしてだらりと肩まで伸ばした髪形で 地味な顔立ちだち、

どちらかといえばおとなしくて 幽霊みたいだと思った。

が、バラエティー番組の中の彼の受け答えは かなり好感が持てた。

 

そして、なんと彼は 芥川賞を受賞してしまった。

「びっくりポンや」だった。

 

芥川賞が作家の登竜門であることは 周知の事実。

実力のある大勢の物書きが何度も何度も挑戦し 

「いつかは自分も」と思いつつ、頑張る憧れの賞だ。

 

そんな凄い賞を あまり売れてない芸中堅どころの芸人の又吉君が

とってしまったとは・・・。

 

芥川賞がどんな小説に送られようが いつもは気にもとめないのだが

今回は、お笑い芸人がお笑い芸人のことを書いた小説だ

というので おもしろそうだなと興味をそそられた。

世間の流行り、話題作「火花」を読みたいと思った。

 

思っていると願いが叶うらしい。

先日、日本からの友人から 読み終わったからとそれを頂いた。

で、読み始めた。

 

売れないお笑い芸人の話が 延々と続く。

お笑いの世界って こんなに普通の人の日常と違うのかあ!!

あまりにも違いすぎて 理解できない。

理解できないからおもしろくない。

いつになったら面白くなるんだろう?

いつ?

延々と主人公と敬愛する生活破綻者の先輩との交友が綴られている。

地味な元吉君と主人公がダブってしまう。

いつだろう?いつ、この話は展開するのだろう?

と、突然、急展開が起こる。

はあ!

そして、読み終わった。

お笑いの世界のことは 最後まで分からなかった。


JUGEMテーマ:読書

人生の棘

  • 2016.01.03 Sunday
  • 20:01


追い込まれ絶望の淵沈むとも
それはすべての始まりの時

創作は人生の棘から生まれる。
人は何か壁にぶつかるたびに
エグくなり 味が出る。
心の痛みは すなわち 想像への翼をはばたくエネルギーとなる。
不幸ほど創作意欲を高めるものはない。



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