一流半か二流の上

  • 2014.05.31 Saturday
  • 10:40
「一流になりたい」
という25歳の夏帆に、中谷は
「君には、無理だね。一流になる人はその年には光っている」
と厳しい言葉を返す。そして、
「本物の一流になったら たくさんの不幸や孤独も背負うことになる。
誰もが一流になれるわけじゃない。
だけど、一流半か二流の上になればいいんだ。
でも、最初から二流を目指せば三流にしかなれないから
一流を目指さなければだめだ」
と、彼は 付け加える。

これは林真理子著「フェイバリット・ワン」の一節。
今年(2014年)3月に出版されたばかりの新刊本だ。
これは、この間ロスで行われた真理子さんの講演会で 売られていて
前年のヒット作「野心のすすめ」の小説版だという説明だったので
それなら読まなくては。。。と 手に入れた。

何の野心も持たない普通の女の子だった夏帆が
あることがきっかけで 「一流になりたい」という
野心に目覚める。

内容は かなりの部分が いつもの軽いタッチの真理子流なのだけれど
結末は 意外などんでん返し。
人間の気持ちの摩訶不思議さに 唖然!とさせられる。

最初の引用「一流。。。」のくだりは
まさに「野心のすすめ」そのものなのだが。。。

一流半か二流の上。。。ですかあ?

何を持って一流だとか二流、三流を定義するんだろう?
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」なんていう番組を
思い出してみたり。。。

夏帆の倍以上年をとってしまったけれど
そして、一流にはなれないとわかっているけど
気持ちは一流を目指すべき???なのか。
野心をめぐって またまた考え込んでしまった私。

「フェイバリット・ワン」林真理子著
 

トトロ図書館にて 貸し出し中
JUGEMテーマ:自分が読んだ本

卒業生たちの成長がうれしい

  • 2014.05.30 Friday
  • 13:02

今年で11回目を迎えたスピーチコンテスト、

回を重ねて、年々年々イベントとしての質も上がり

今年も さらに去年よりよい大会になった。

 

会場には、去年の優勝者のダコタ君と

2007年第4回大会優勝者のジェッシー君の2人の顔があった。

 

「カリフォルニアに今居るということでジェシー君が来てくれています」

とアナウンスがあったとき 思い出した。

ジェシー君??

あーー、あのジェシー???

日本式のトイレ(しゃがむタイプの)にびびったり、

ゴキブリをチョコレートと間違えて食べそうになったり・・・

っていうあのジェシー???

確か、彼は日本でのセンセーショナルな体験を

「僕の体験した日本」↓というタイトルでスピーチをしてくれたっけ。

http://americajijo.jugem.jp/?eid=77

 

あれから7年、かわいらしかった高校生は 立派な大人になっていた。

彼に「あのジェッシー君なの?」と声をかけると

にこにこと「はい、そうです」という。

今、彼はハリウッドで俳優になるために勉強中だという。

がんばれー、ジェシー!!

 

もう一人は、昨年の優勝者 ダコダ君。

優勝した先輩として 会場でボランティアの高校生たちと

大会をもり立てるお手伝いをしてくれていた。

彼は、サンディエゴ出身だが、今年はアーバインに暮らしている。

大学1年生だ。

どこの大学って UCI(会場になっている大学で大学生活満喫中)。

彼の専攻は、コンピューターサイエンスだそうな。

今は 日本語の授業は取っていないけれど

来年くらいにまた勉強を始めたいといっていた。

 

参考)2012年大会3位のときのダコダ君のスピーチは

http://americajijo.jugem.jp/?eid=503

そして、去年2013年大会で 彼は 見事優勝し 

日本での世界大会出場権を取った。すごかったね。

 

 

こんな風に巣立っていった高校生たちのその後の成長振りが

分るのもうれしい。

 

高校生たちの生のスピーチはこちらから

2014年 日本語スピーチコンテスト前半↓

https://www.youtube.com/watch?v=oxAKwvan9H4

 

スピーチ後半↓

https://www.youtube.com/watch?v=IcM3hX7qrYc


今年もレベルアップの全米ハイスクール日本語スピーチコンテスト

  • 2014.05.29 Thursday
  • 03:39

毎年7月に日本で行われる日本語スピーチコンテスト世界大会に出場の

アメリカ代表を選ぶ全米大会が 524日(土)に

州立大学アーバイン校で 開催され 無事に終わった。

 

最初の年からお手伝いをしているので はっきりと分るのだが

出場する高校生の日本語レベルは 年々高くなっている。 

まったく日本語環境に無い高校生たちが 数年の日本語の勉強で 

こんなにすばらしいスピーチを 流暢な日本語で できるようになる

ということがすばらしいと思う。そして、そのスピーチの内容が

またすばらしく 毎年のことながら感動する。

 

同じように数年ボランティアを続けるMさんは、

この感動が欲しくて お手伝いをしているという。

まったく同感だ。

今年の参加者は 14人。それぞれにすばらしかった。

ボランティアの地元アーバインの高校生たちと↓

 

優勝は、テキサスの10年生(日本で言えば 高校1年生)の

グリニスさん、「母の愛」だった。

仕事から疲れて帰ってくるお母さんが 「あんたたちなんか嫌い」

と言いながらも 自分を愛してくれていると分っている。

お母さんの辛い気持が 分るので 自分はお母さんを支えていくつもりだ。

と、感動のスピーチ。

 

2位は テキサスの12年生(高校3年)ウィリー君、

「正確な翻訳を目指して」

日本語の宿題を 友達は 翻訳ソフトでやったりするけれど                           

コンピューターがする翻訳は ぜんぜん正確ではない。

自分は 大学でコンピューターサイエンスを勉強して

正確な翻訳ができるソフトを開発したい。

 

後で、来賓の某日系大企業のF通社長、コメントを求められ、

彼をリクルート。そのウイットの効いたコメントに 

会場は 暖かい笑いに包まれた。

 

3位は ニューヨークの12年生(高3)ワン君、「絆の大切さ」。

震災大使の日本の高校生との交流を通じて その強さに感動し

絆の大切さを学んだ。そして、昨年の日本への6週間の留学で

出会ったホストファミリーとの絆を大切にしたい。

 

ワン君、前日の歓迎会のときのオリエンテーションで

出場の順番を決めるとき、一番のくじを引いて

「僕は運が悪いです」なんて、自己紹介をしていた。

トップバッターというのは 緊張もことさらだったに違いない。

が、すばらしいスピーチで 会場を魅了した。

 

会場のオーディアンス賞を貰ったのは

サガー君、カリフォルニアのサンホゼから出場の12年生(高3)。

「目をつぶって選んだ日本語」

授業を選ぶのに眼をつぶって選んだのが日本語だったという。

がんばって勉強したので去年日本に留学することができた。

愛媛の高校に行った。初めて制服を来て通学して恥ずかしかったが

日本での生活は楽しかった。電車の中でやくざのような人に出会い

挨拶をした。怖かったけれど 面白かった。

 

彼の身振り手振りから とても楽しかった様子が スピーチから

伝わってきた。

 

ドラマチックな内容でスピーチをしたのは ソル君、

カリフォルニア、ぺブルビーチの10年生(高1)「希望の声」。

 

7年前、聴覚障害者の幼馴染が 自動車事故で亡くなった。

そのことがきっかけになり「希望の声」という障害者センターで 

一昨年から ボランティアをしている。そこで、自分は、

手話を学んだり、センターで障害者の子供たちと遊んだりしている。

 

彼には、VIPアワードが授与された。

 

アリッサさん↓、

アラスカから参加の10年生(高1)は

「競争っていいな」というタイトルのスピーチをした。

自分は水泳をやっている。自分は競争するのが大好きだ。

スポーツだけでなく 勉強でも一番になりたい。

競争が大好きなのは 自分の性格だと思っていたら

家族も皆競争が好きだということに気がついた。

この大会の後は 地元アラスカで行われる美人コンテストに

出ることになっている。 

と、元気なスピーチをしてくれた。

このスピーチを聞いていて、私は この間の林真理子の「野心のすすめ」

思い出していた。

ここにいる高校生たちは、誰よりも 一番になりたいと思い

並大抵ではない努力をしているに違いない。

彼らの優秀さは 日本語(語学)だけのことではない。

すべてに発揮されている。

他人より秀でるためには 努力、努力、努力。それしかないんだね。

そして、それを苦と思わない情熱が彼らにはある。

 

すごいねえ。毎年のことなんだけど 感心しきり・・・。

(続く)
http://americajijo.jugem.jp/?eid=876

「ペコロスの母に会いに行く」

  • 2014.05.21 Wednesday
  • 13:00

先週末517日(土)、

オレンジカウンティー、アーバインで 日本映画祭が開催された。

毎年 このときだけ 日本の映画が南カリフォルニアにやってくる。

厳選されたよい映画だけを 持ってきてくれるので 楽しみにしている。

 

一日しかないので 午前11時から3本立て続けに見ることに・・・。

 

一本目は、

「ペコロスの母に会いに行く」

長崎で自費出版された漫画本が原作の映画で、 

「とても暖かいお話で、必ず泣きますからね。ハンカチをお忘れなく」

と映画祭のスタッフからの前情報を受けて・・・。

http://pecoross.jp/

 

ペコロスというのは ちっちゃなたまねぎのことなんですって。

はげ頭がペコロスに似ているというので 通称ペコロス62歳、ばつ一。

息子(20歳前後)と89歳の母 みつえと暮らしている。

母は、 父の死後 少しずつぼけ始め、自宅での介護が限界に。

母を施設に預けべきなのか?ペコロスは悩む。

 

ボケ(認知症)の母の介護がテーマ

というと重たくなるが

泣ける暖かさと笑っちゃう場面が 

人生って悪くないと思わせてくれる。

 

認知症が進み、施設に預けた母、みつえは

どんどん最近のことを 忘れていき、

辛い思い出も多かった子供時代や若かった頃の

過去の思い出の中に生きている。

だんだん息子である自分の事もわからなくなっていく母。

ペコロスの寂しい思いが ひしひしと画面から伝わってくる。


最後に「ぼけることも悪いことばかりじゃない」と

ペコロスはつぶやく。

 

他人事と思えない。

自分は?人生の最後をどう迎えるのか?

と 考えさせられつつ、

それ以前に 

自分の父も亡くなって数年が経ち、80代の母は一人暮らし、

日本にいる母に会いに行かなくては!

と 日本に飛んで帰りたくなった。


JUGEMテーマ:気になること

林真理子「野心のすすめ」

  • 2014.05.20 Tuesday
  • 09:48

この間、林真理子さんにお会いした。

LA で講演会が開催され 是非お会いしてみたかったので

チケットを買って 駆けつけたのだ。

 

講演会に行ってみて 驚いたことがいくつかある。

 

まず一つ目は 講演会場に集まった大勢の日本人の女性の数。

こちらのイベントで アラフォー世代が あんなにびっちりと集合するのを

いままで 見たことが無い。

400席以上の座席のうち98パーセントが女性で 男性はスタッフも入れて

10人もいたかいなかったかという数。そして、彼女たちの大半が4050代。

映画会やコンサートなどこちらで行われるイベントにいくと
いつもは、もうちょっと年齢が高い。

今回は、断然若い人が多くてびっくりした。

聞いたところによれば 講演会のチケットは 売り出すとすぐに売り切れたという。

林さんの人気のほどが うかがえる。

 

次に驚いたのは、こんなに熱狂的なファンが大勢いるのに

林さんを知らない世代があるという。

30代以下の若者は 林さんを知らないらしい。

そういえば 会場にもそれ以下の年代は あまり見受けられなかった。

ご本人もそういっておられたけれど そうなんだなあと

あらためて納得。

 

三つ目に驚いたのは 林真理子さんご本人についてのこと。

とってもソフトでお話がうまくて いい感じ。

私の知っている「強運な女になる」などのエッセイの中の林さんは 

強烈に野心家で ギトギトしていて

のんびり屋の私には ちょっとついていけないというか

別世界の人という印象が強い。

同世代で 成功している人に学びたいと思って 講演会に行ったのだが

静かにニコニコと講演してくださった林さんは 私が思っていた人とは

かなり違っていた。一言で言えば、とても大人の雰囲気。

去年だったかドラマ化された「下流の宴」について、

彼女がどんなところからねたを拾い どんなふうに作り上げたかを
とても分りやすく 説明してくれた。へーー、そういう風に物語って
出来上がっていくんだなあ・・・と。

そして、ついこの間お亡くなりになった大御所「渡辺淳一」先生と
林さんが 親しかったというお話。
大変 興味深かった。

一時間の公演時間が 
あっという間で 30分ほど伸びた。
までは 作品を通してファンだったのだが、

生の林さんにお会いしてますますファンになった。

帰り際、本を買った人には サインがもらえるというので 
ちゃっかり一番に並んで、
握手までしてもらった。

ミーハーなことをあまりしない自分としては すごーくがんばった。
上出来。すっかり舞い上がって帰宅した。

 

帰ってきてから 去年 話題になったという「野心のすすめ」を読んだ。

そしたら、やっぱり、その一方ならぬ野心は 

あの生でお会いした静かな雰囲気からは かけ離れているような・・・。

 

そこで、またまた混乱してしまった。

 

「野心のすすめ」林真理子著によれば、

彼女の唱える野心というのは 「もっと価値ある人間になりたい」という

真っ当な向上心だという。

「野心・・・」を読みながら、自他共に認めるのんびり屋の私は 

彼女が唱える野心が重たくて 苦しくて 読むのをしばし中断した。

本の中で、野心が もの凄いエネルギーを発散していた。

だから彼女は 成功した。それは 納得。十分に分った。

「ああ、でも、しんどいなあ。よくやるなあ」と思いながら続きを読むうちに、

そういえば、すっかり忘れていたが、私にだって野心はある。
ちょっぴりだけど 向上心だってある。・・・
ということを思い出していた。

 

「野心をものにしたければ 人並み以上の努力すること、

えげつないほどの努力をすることだ」と林さんは言う。

 

が、・・・無理無理、私には 無理。努力嫌いだし、えげつないのもだめ。

自分から食いつくことはまずしない。

なんとなく毎日を生きている。林さんとは間逆な人生。

 

だから、この差が出るわけね。・・・すっかり納得。

 

そして、つくづく自分が情けなくなり 久しぶりの自己嫌悪。

めげたなあ。

あまりにもめげたので ついフェースブックで愚痴ってしまった。

すると、

「人それぞれでいいんじゃない」

「自分なりの野心でいいのでは・・・」

とのご意見が・・・。

 

しばらくしこたまへこんでいたのだが、

次元が低すぎると自分を卑下するより 

自分を信じてちっちゃくちっちゃく進んでいけるよう

がんばるほうがいいかもしれないと 思い直した。

 

そう、小さな一歩も一歩だからね。

自分なりにがんばるよ。

 

でも、一冊の本で ここまで考えさせてくれるって

やっぱし林さんは 凄い。

”野心あり夢再燃の講演会”(高木子猫)

「強運な女になる」↓

http://americajijo.jugem.jp/?eid=639

「下流の宴」
http://americajijo.jugem.jp/?eid=231

握手までしていただき 大感激!!
少しは 彼女の強運を貰うことができただろうか?

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

オバマ大統領「母の日」に物申す!

  • 2014.05.11 Sunday
  • 00:05
明日は 母の日。
今朝ニュースをつけていたらカリフォルニアに来ているオバマさんが
マザーズデー(母の日)に因んでスピーチ。

オバマさん、
ミッシェル夫人に
「どうして母の日はこんなに大騒ぎされるんだろう?
父の日はそんなに注目されないのに」
と疑問を投げかけると
「だってね。母の日以外は 毎日が父の日よ」
と夫人は答えた。
「だからね。僕は マザーズデーにはホワイトハウスに帰らないといけないんだ」
。。。と 話しを結んだらしい。

オバマさん、さすが!うまいね。
スピーチでちゃんと笑いを取って
聴衆の心を掴む。

オバマさんの言う通りに アメリカでは母の日を巡って大騒ぎの日々だ。

そういえば、先日、知人(女性、彼女の夫はアメリカ人)が、
オバマさんと同んなじようなこといっていたなあ。

女性が持ち上げられるのは 「母の日」そのたった一日だけ。
その日が過ぎたら またすっかり元に戻る。

。。。って。

日本に比べたら 男女の平等については
随分進んでいる国だと思っていたけど
そうでもないのかなあ。

同じ席で、日本人の奥さん(ご主人も日本人)曰く、

うちは毎年その「母の日」もないのよ。
仕事で 一番忙しい時期で 「母の日」に
お祝いしてもらうどころかこき使われるの。
誰も「母の日」を祝ってくれない。

と、ぼやくことしきり。

この奥さん、日本人だなあ。
アメリカ人の夫婦だったら あっという間に離婚だね。
その話を聞きながら私は思った。

そうそう、ついこの間、YouTubeで話題になったコマーシャルがある。

就活のインタビュー。
面接官が仕事を説明する。
24時間 休みなし、ご飯を食べる時間もない。
寝る時間も無い。
健康、財政、教育、全ての面で 責任を持たなくてはならない。
それで いくらもらえるのですか?
と、応募者が質問すると
給料はなし。報酬はないんですよ。
と面接官は平然と答える。
そんなバカな仕事があるわけ無いでしょう!
と応募者が呆れると 面接官がニヤッと笑って
それは、お母さんという仕事ですよ。
と答える。

母の偉大さを最大限に誇張したコマーシャルなのだが。。。

http://m.youtube.com/watch?v=HB3xM93rXbY

↑これ、子供が巣立った後の私のような者には
ちょっとおこがましい気もするけど
子育て真っ最中のお母さんたちには
まさにツボにハマるに違いない。
母は偉大だ!

さあ、あなたはどんな母の日を過ごされますか
 
JUGEMテーマ:家庭

 

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