「おじいちゃん 戦争のことを教えて」中條高徳著
- 2013.08.26 Monday
- 15:49
端を発した私の日本近現代史 勉強し直しの旅は 続いている。
今回は、「おじいちゃん 戦争のこと教えて」を読んだ。
平成10年 第一刷が発行
昭和2年生まれの著者が アメリカに暮らす孫娘からの
質問に答えるという形をとって 日本の近現代史を語るもの。
著者の孫娘のアメリカ史の授業で、戦争を体験した身近な人から
生の戦争体験をきいて その人にとってその戦争がどんなものだったか?
を知り レポートにまとめるプロジェクトとしての質問項目に
おじいちゃんが丁寧に答えていく。
1)おじいちゃんの生まれた頃(昭和2年)の日本は?
2)おじいちゃんが受けた義務教育は?
3)なぜ 軍人の学校に進んだの?
4)陸軍士官学校の教育は?
5)おじいちゃんは 戦場に行ったの?
6)終戦後 おじいちゃんはどうしたの?
7)戦後の学生生活で何を考えていたの?
8)なぜビール会社に就職したの?
9)アメリカとの戦争は正しかったと思う?
10) 終戦直後の日本の様子を教えて
11) 極東軍事裁判についてどう思う
などなど、まだまだ続くのだが
読んでいくうちに おじいちゃんの人生から 昭和史が 見えてくる。
どういうわけか 私たちは日本の近現代史を学んでいない。
最近 そのことをしきりと感じていたのだが、
その理由が この本を読んで 明らかになったように思う。
敗戦国として アメリカ軍に占領され 7年間 アメリカによって
統治されたとき、日本は、すべてを否定されたのだという。
大戦に突入した日本は、恥ずべき国、敗戦国日本は 悪き国であると
日本国民すべてが いつの間にか洗脳されてしまったと著者はいう。
そういわれてみると 確かに自分の中にもそんな気持がある。
そして、この本の中で 一番衝撃的だったのは 東京裁判についてだ。
東京裁判では、第二次大戦を起こした罪により 戦犯として
軍の上層部の人たちが 裁かれ 死刑になった人がいる。
裁判というからには 裁判官は 中立で公平であらねばならないはず。
しかし、東京裁判は アメリカのご都合で開かれた。
裁判とは名ばかりのひどいものだったと改めて知った。
日本を「人道に対する罪」と「平和に対する罪」で裁くことは
事後法違反になると知っていたにもかかわらず
その罪を押し付けた。
参照)極東国際軍事裁判↓
その結果、知らずのうちに 太平洋戦争という歴史の悲劇を
恥じる風潮のようなものが 日本に蔓延し、
それを無意識に感じ 自分でも それを避けて通ろうとする。
そんな気持が自分の中にあったことを
この本を読んでいるうちに 発見し びっくりした。
これを読んで、学校では習わなかった近代史を
少し分ったような気がする。
今からでも 遅くない。がんばって勉強しようと
ますます興味がわいてきた。
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