トイレの隙間
- 2024.03.10 Sunday
- 14:22
最近 日本に帰って感心するのが、公衆トイレ。
素晴らしくきれいになっている。
空港や駅、高速道路のサービスエリアのトイレは軒並み新しくなり、
ウオッシュレットと音姫(トイレの音消し)が 必ずついている。
音姫に関して言えば、自分で操作しなくてもセンサーで自動的に
スタートして 音消しをしてくれる。
びっくり!!とても繊細な心配りだ。
アメリカには ウオッシュレットも音姫も無いので
逆カルチャーショックを受ける。
公衆トイレというと、忘れられないのが
初めて降り立ったロサンゼルス空港のトイレの作り。
カリフォルニアで、初っ端の衝撃だった。
トイレ1個分の面積が、だだっ広い。
複数のバッグ(一時帰国のときなどの荷物はどうしても大きくなる)を
トイレに持って入っても余裕。
さすが、アメリカ!それは、申し分ない。
が、ドアを締めて鍵をかけたとき、
そのドアに、縦に一センチくらいの隙間が開いている。
要するに、便座に座ったときドアの隙間から、外が見える。
「これでは、外にいる人と目が合ってしまいそう!
これって、どういうこと?トイレはしっかり閉まるものなのでは?」
足元もスケスケ。
外から中に入っている人の靴が見えるという状態。
隙間だらけだから、当然、音は漏れ放題。
トイレに入りながら、ちっとも落ち着かなかった。
その上、みんな平気で大きめの手持ちのバッグなどを
トイレの床に置いている(足元に隙間があるからそれが見える)。
おいおい、ちょっと衛生上大丈夫なのか?
もう、びっくりの大行列!
それまでのトイレの常識は、ひっくり返った。
そのことについては、後々、仕方がないことだと考えられるようになった。
というのは、単独で旅をする場合、荷物は手の届くところに
置いておかないと持っていかれてしまう。
治安が悪いから用心しないといけない。
後に、公衆トイレが完璧に個室にならないということについて
現地の人(多分その頃せっせと通っていたESLの先生)の話では
「あの隙間は、密室にならないようにわざと隙間を空けている。
つまり、犯罪防止、犯罪抑止力。安全のためだ」
と説明してくれた。
確かに、空港にはいろんな人が出入りする。
犯罪も多発する。簡単に密室になってしまうトイレは
危険極まりない。「そうだったのかあ!」と、
これも治安の悪さが原因の事象だと教えてもらった後は、
隙間に感謝さえ覚えるようになった。
そして、時が経ち、ロサンゼルス国際空港から
日本へと何度も行き来をするうちに、
今では、他の人達と同様に音や隙間が気にならなくなっている。
そんなわけで、日本で 駅のトイレなどに入ると
しっかり個室になるから 落ち着くが、
「音姫って必要?エネルギーの無駄使いでは??」
などと、最新式のトイレのおもてなし過剰度が気になるという天邪鬼ぶり。
最後に、ウオッシュレットについて、
まだまだこちらでの普及率は低い。
現地の人によると、
「便座が温かいと他人が座った後のようで嫌だ」
とのこと。
「寒いときなどあの暖かな便座が癒やしなのに、
そんなふうに思う人がいるんだなあ」
とわかるような気もするけど・・・
ウオッシュレットに甘やかされてしまった今では
冬の冷たい便座はちょっと勘弁してほしい。
寒い時期のほかほか便座、いいよねえ。
最近の情報では、日本などに出張に行き
一旦ウオッシュレットに慣れると
日本人でなくともウオッシュレットを欲しくなる人も居るという。
ウオッシュレットの回し者ではないが
日本の偉大なる発明の一つであろう。
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