パーフェクトデイズ(perfect days)
- 2024.02.27 Tuesday
- 05:31
またまた映画を観に行った。
話題作「パーフェクトデイズ」
役所広司主演
去年(2023年)の第76回国際映画祭 男優賞獲得
そして、
もうすぐ(2024年3月10日)ロサンゼルスで行われる
第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされている。
ここでも 賞を獲得できるのか?
いつもは のほほんとしているうちに終わってしまう
アカデミー賞だが 今年は 忘れないように
授賞式を観なくては・・・。
それにしても、日本映画が 大きな映画館で
上映されるということ自体に 驚く。
「ゴジラ−1.0」↓もそうだったが
http://americajijo.jugem.jp/?eid=1429
(「ゴジラ−1.0を4DXで」)↑
ましてや こんな地味な映画が・・・。
注意)ちょっとネタバレするかも・・・
東京下町で一人暮らしをする男平山、
ボロ屋の一室、
日が昇り始めると、
隣の神社から聴こえてくる落ち葉を掃く音で
彼は目を覚ます。
閑散とした部屋、
余分なものはなにもない。
敷布団一枚、掛け布団一枚。
枕もとの文庫本と老眼鏡を片付け
ちゃっちゃと布団をたたむ。
小さな台所で 顔をを洗い、
鉢の植物に水をやる。
着替えをする。
家の前の時代物の自販機で 缶コーヒーを買う。
軽ワゴンに乗り カーカセットをセットし
音楽を聞きながら、仕事(公衆トイレの掃除)へ。
若い同僚が 現れ、それぞれに清掃の仕事。
仕事が終わり、
自転車で 銭湯の一番風呂へ。
その後、行きつけのちいさないっぱい飲み屋。
夜、文庫本を読み、寝る。
不思議な影の映像が 彼の夢を象徴する。
そして、また、夜が明ける・・・
箒の音で目が覚める。
毎日、毎日、同じ。
小さなことは起こるが
大まかなところは 同じ。
そんな毎日が 丁寧に何度も何度も描かれる。
前半 主役の平山は 一言も発しない。
若くていい加減な同僚に 話しかけられても 答えない。
文句がありそうな場面でも、何も言わない。
シャイなのか?
このまま 彼は何も喋らずに終わるのか?
と、思っていると
ある日、その同僚のガールフレンドが仕事場に現れる。
彼女の出現で 平山のルーティーンが ちょっと狂う。
さらに、同じ毎日と思われた彼の日常に
次の出来事が・・・
家出してきた姪っ子ニコが現れる。
ニコが現れると平山の全然違った一面が見えてくる。
姪っ子には優しいおじさんらしい。
へーー、この人、話せるんだ!と発見する。
などなど、後半は、彼の日常のルーティーンを
ちょっと歪めるようなちいさな出来事が
次々と起こる。
が
それでも、彼の毎日のルーティーンは続く。
最後は、朝仕事に向かう車の中で
密かに微笑む彼の大写し・・・。
不思議な映画だ。
前半は、何も起こらない。
平山の一日は、同じように始まり
黙々と掃除をし 同じ毎日が、延々と続く。
彼は 何も喋らない。
平凡で何もないかに見える彼の毎日なのに
彼のあの冷静さはどこから来るのか?
ミステリアスで興味をそそる。
観ていられる。
彼の日常がパーフェクトデイズなら
もしかしたら 誰の毎日もパーフェクトデイズになりうる???
パーフェクトをあんまりパーフェクトにしちゃわないほうが
いいのかもね。
どうして、こんなセンセーショナルなことのない
静かで退屈とさえ思える映画が
こんなにも話題になるのだろうか?
外国の人たちは、
木漏れ日の中の日本の侘び寂び??に興味がそそられる?
それとも、トイレ掃除という仕事を黙々とこなす主人公に
魅了されてしまうのだろうか?
ちなみに、ロスの毎日は とてもセンセーショナル。
カーチェイスや銃撃事件は かなりの日常。
映画館ではそれ以上のものでなくては
刺激的とは言えなくなっている。
だから、ハリウッド映画の場合、
ドンパチ どんどん、がんがんがらがら、
ドッキューン!ガガッが−−−−!
とにかく派手なアクションと事件の数々。
悪を 痛快に解決するヒーローやヒロインが
喝采を浴びる・・・。
そこに、ロマンスが からんだり
宇宙人が出てきたり・・・。
それとは 真反対のこの映画
よくぞ 話題になったものだ。
というか、
地味だからこそ いいと思ってもらえるのかもしれない。
始まる前に役所さんと監督さんが画面からご挨拶↓
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