前回の診察のとき、手術しないといわれて喜んで
すっかり舞い上がってしまい ドクターに 聞きたかったことなど
すべて言ったわけではなかった。
2度目の診察を待つ間に いくつかの疑問が出てきた。
今回も 長女が 一緒に来てくれた。
病院へ行く途中の車の中で 今日はちゃんと全部の質問を
はっきりさせようと話し合う。
娘にメモを取っておいたら といわれて 早速 箇条書き。
その1) 右足が弱い(ポリオだったから)ので
ほとんど左足を使う生活をしている。
急にブレイス(サポート器具)をつけて
矯正するということだったけれど
少なくとも17年間 つぶれつづけたくるぶしが
急に 形を変えられて痛くないのか?
日常的に履き続けることができるのか?
その2) 中学のときに骨折した左足(これもなぜか左足)は
右足より短い。前々から足の長さが違うのが原因の不具合も
あるように思う。両足の長さをあわせことができるなら
この際やってほしい。果たしてできるだろうか?
その3) ブレイスが出来上がってくる間 痛む左足のために
何かできることがあるか? 悪いほうの足の平のために 何かできるか?
そして、痛みを 減らすような方法は、あるのか?
など。
予約時刻より15分ほど前にオフィスに到着、
しばらくして、診察室に通される。
部屋に入るとすぐに看護婦さんは 明るく 話しかける。
「さあ、今日は足の型を取りますよ。その前に 血圧と体温を測ります」
おっと、もうすでに 補助器具をオーダーすることに話が
決まっている様子。
あわてて 右足は小さいときにポリオ(小児麻痺)を患ったため
弱いこと。そして、中学のときに左足を骨折して 左右の足の長さが
違うことなどを話し 用意した質問を次々と看護婦さんに浴びせると
「それはよい情報をありがとう。ドクターに 聞いてみましょう」
と軽い返事。
そして、ドクターが登場したかと思うと すぐに左足の膝から下の足型を
取る準備をはじめる。看護婦さんは ドクターの手助けで忙しく
口を聞く暇もない。そこで、娘が気を利かせて ドクターにもう一度
さっき看護婦さんに言ったことを繰り返す。
ドクターは 作業をしながら説明してくれる。
D: 「ブレース(補助器具)は すぐに一日中つけるわけではなく
最初は一日 1時間ぐらいからはじめて だんだんに慣らしていくので
痛くて歩けないというような心配は無用です」
私: 「右足が利かないから 左足が痛すぎて歩けないということになると
困るのですが」と聞くと
D: 「具合を良くするために履くのですから それほど痛みを心配する
必要はありません」なんとも心強い答えだ。さらに質問する。
「どのくらいの間隔で 形をアジャストするのですか?」
ブレースを装着することで、だんだんとよくなることがあるかと
思い 聞いてみる。
D: 「残念ながら あなたの年齢では 劇的な効果はないと
思います。2年に一度とかの割合で 新しいものを作るというのが
一般的です」
なーんだ、やっぱりそんなによくなるわけではないのね。
それに これからずっとへんな長靴(補助器具)を履かないといけないのね。
ちょっとショックを受けた。
でも、この足の痛みがなくなるなら どんなことでもやらなきゃ。
あっという間に 足型は固まる。マイクロファイバーだという。
D: 「3週間後に出来上がるので もう一度 診察に来てください」
と、部屋から出て行く。ほかの患者さんも同時に診ているらしい。
ドクターは、もう一度戻ってきて、
左右の足の長さの違いも測ってくれ、
D: 「じゃあ、0.25センチのアジャストを入れておいたよ。
本当は0.5センチ違うけど 急に違う長さになるとかえって
不具合がでるからね。3週間後に またいらっしゃい」という。
私: 「待っている3週間の間に 何かできることがありますか?」
と尋ねると すごーくうれしそうに
D: 「もちろん。そういうことなら 足首を骨折したときに使う
サポート器具があるから それを使いなさい。足首が倒れるのを
防いでくれます。女性の場合、ヒールがなかなか合うのがないと
いうので あまり人気がありませんが・・・」といい、
「さあ、今日の診察はここまでです。ありがとう」
と握手をして 部屋から出て行く。
そして、看護婦さんが なんだかごっついものを持って
部屋に戻ってくる。スキーブーツのようなロボットの足のような
サポーターだ。
「これは買取ですか?」
思わず訊いてみる。3週間だけ履くのに こんなにごっついということは
かなり高そう!
看護婦さん: 「健康保険で一部は支払われるから心配しなくていいわよ」
と、ニコニコ顔。
私:「これで ゴルフもできますか?」 つい、聞いてみる。
看: 「ゴルフは歩いているの?それとも、カートに乗るの?
カートなら 大丈夫よ。買い物でも 散歩でも。これを履いてね」
と、太鼓判を押してくれる。
あーーあ、また、かもられたかな。でもね。足の痛いのには代えられない。
たとえ 3週間だとしても 本物のブレースができてくるまで
このごっついロボット足を試すしかないね。
続く